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所信表明

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年1月23日更新

令和2年9月那珂川市議会定例会における市長所信表明

※演説をそのまま掲載しています。

 令和2年9月那珂川市議会定例会の開催にあたり、市政運営に関する所信を申し上げる機会をいただき、深く感謝申し上げます。

 まず、今般の新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、罹患された方々には心よりお見舞い申し上げます。また、感染拡大の防止にご尽力をいただいております医療関係者をはじめ多くの皆さまに心から感謝を申し上げます。本市におきましても感染拡大の防止と早期の収束のため、今後も対策に取り組んでまいります。

 また、この度の令和2年7月豪雨災害により亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆さま、ご家族の皆さまには心よりお見舞い申し上げます。皆さまの安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈りいたします。

  さて、8月2日に告示されました那珂川市長選挙において、引き続き市政を担わせていただくこととなり、身の引き締まる思いであります。

 私は、那珂川町長として約10年間、そして那珂川市長として約2年間延べ3期12年間、市民の皆さまの目線で心の通う政策を基本的スタンスとして、市民サービスの向上と選ばれる自治体を目指して様々な政策に取り組んでまいりました。何と言いましても、平成27年の国勢調査により人口5万人を達成し、平成30年10月、念願であった那珂川市が誕生いたしましたことは、市議会議員の皆さまはもちろん、市民の皆さまをはじめ、市内の各種団体や企業の皆さまなどの力強いご支援があったからこそ実現できたものであり、改めて皆さまに心から感謝を申し上げます。

 そして、市としてスタートした今こそ、これまでの「変革と発展」を目指した取り組みに加え、新たなステップとして「進化する街づくり」を目指し、那珂川市のさらなる発展に取り組んで参る決意です。

 それでは、私の市政に対する所信の一端について述べさせていただきます。

 まず、快適で安全安心な生活環境の向上について申し上げます。近年、全国いたるところで大規模な自然災害が発生しております。本市では、平成21年の中国・九州北部豪雨による被災を機に、事業促進を強く要望してまいりました那珂川床上浸水対策特別緊急事業や五ケ山ダムの効果により、豪雨時でも河川の水位が上昇しにくく、浸水被害の軽減が図れています。今後は、さらに防災・減災の取り組みとして、市民の防災意識の高揚を図るとともに、市としての防災力の強化のために引き続き取り組んでまいります。また、「那珂川市総合防災マップ」も完成したことから、自主防災組織への積極的な支援を行うことにより、自助、共助、公助による地域と行政が一体となった地域防災力の強化に努めてまいります。

 道路整備につきましては、現在、福岡県により施工中である国道385号4車線化事業において、事業の早期完了に向けて取り組みを進めるとともに、これまで長年の懸案でありました国道385号の南畑地区の狭隘区間の改良につきましても、この度、「一般国道385号南畑バイパス道路建設促進期成会」が設立され、実質のスタートラインに立つことができました。今後は、この取り組みを市議会議員の皆さまをはじめ、福岡県及び地元選出の福岡県議会議員の皆さまと共に、国道385号の整備拡大に向けて積極的に取り組んでまいります。併せて、五ケ山周辺を中心とした観光振興についても、周辺エリアの回遊性を高めていく取り組みを進め、将来的な国道385号の整備効果と相乗効果を生み出していくことを目指してまいります。

 次に、学校教育の充実とスポーツ・文化の振興について申し上げます。本市の将来を担う子どもたちの学力向上と教育環境の充実は非常に重要であることから、これまで外国語教育の充実など、他自治体に先んじて積極的な取り組みを進めてまいりました。今後はこれらの取り組みと合わせて、新たに小中学校の全児童生徒に一人1台のタブレットが使用できる環境を整備し、Ictを活用した教育により子どもたちの更なる学力の向上と情報活用能力の向上に取り組んでまいります。また、教育環境の整備につきましては、市産材を活用した木質化を進め、子どもたちに快適でぬくもりのある教育環境を提供してまいります。

 さらに、本市にとって大型事業であります総合運動公園の整備については、初めての試みとなる民間資金とノウハウを活用したPFI方式による整備を進めることとしております。

 また、築26年を経過しましたミリカローデン那珂川につきましては、リニューアル工事を行い、質の高い文化の発信拠点としての整備に取り組んでまいります。

 次に、南畑地域活性化の推進について申し上げます。本市の魅力の一つである自然豊かな南畑地域の活性化については、これまで南畑地域活性化協議会、通称「南畑みらい協議会」をはじめ、地域の皆さまの積極的な活動により、南畑地域に興味関心を持つ人が増え、認知度の向上と関係人口の増加にも繋がってきております。

 また、移住事業を行う移住交流促進センターSumitsukeを通じて移住された方々も増えており、今では移住者が南畑地域活性化の推進力となっていただいております。今後も、このようなムーブメントを大切にしながら地域の皆さんと連携し、更なる南畑地域の活性化に取り組んでまいります。

 次に、子育て支援について申し上げます。男女共同参画の推進により、就労形態やライフスタイルの多様化など、子育て支援に対する保護者のニーズも多様化しています。これらのニーズにきめ細かく対応できるよう、多様なサービスを提供し、子育てしやすいまちづくりを実現するため、公立中央保育所の建て替えや公立幼稚園2園を私立の幼保連携型認定こども園へ移行することにより、幼児教育・保育の更なる充実に取り組んでまいります。

 次に、高齢者の生きがいと健康づくりの推進について申し上げます。全国的に高齢化の進展が社会問題となる中、高齢者の方が生涯現役としていつまでも安心して暮せる地域社会を実現するために、シルバー人材センターにその一翼を担っていただいておりますが、その活動の拠点施設も老朽化していることから、さらなる活動の充実に向けて活動拠点施設の整備のための支援に取り組んでまいります。また、高齢者の方が住み慣れた地域で自分らしい人生をいつまでも続けることができるよう、福祉・介護・保険・医療などのサービスが切れ目なく一体的に提供できる「地域包括ケアシステム」の構築に向け、引き続き取り組んでまいります。

 次に、歴史ある市を未来へとつなげる取り組みについて申し上げます。本市には、史跡、天然記念物、伝統芸能など、祖先から受け継がれた歴史的遺産が数多く残されています。なかでも本市の貴重な歴史的資産のひとつである安徳台遺跡は、本市で2番目の国史跡となりました。今後は保存活用計画を策定し、適切に保存し、次世代へ確実に継承してまいります。また、これら本市の歴史を後世に継承するため、これまでの那珂川市のあゆみをまとめた市史の編纂に取り組んでまいります。

 次に、地域の消費喚起及び市商工会への支援について申し上げます。市の発展には地域経済の活性化は不可欠であり、市商工会との連携は非常に重要です。これまで、プレミアム商品券発行事業や起業者への支援策である創業支援事業など、市商工会と協力しながら、地域商工業の総合的な改善・発展に向けて取り組んでまいりましたが、今後も引き続き市商工会への支援、また市内経済の活性化に取り組んでまいります。

 次に、生活基盤の豊かさの推進について申し上げます。市のさらなる活性化を図り、将来にわたり持続可能な成長と発展を遂げるまちづくりを行うために、総合病院や産婦人科クリニックの誘導に積極的に取り組んでまいりましたが、その成果もやっと実を結び、市民の皆さまに報告できるようになったところであります。今後も引き続き、道善・恵子地区における土地区画整理事業をはじめとする新市街地創出の取り組みを進めるとともに、都市機能のさらなる充実に努め、市民の皆さまの利便性向上を図りながら、魅力あるまちづくりに取り組んでまいります。

 次に、農業の担い手への支援について申し上げます。本市の農業従事者は平成27年度で423人と年々減少傾向にあります。しかし、近年、新たに就農を志す方々もでてきています。今後は、農業戦略委員会の提言書を踏まえながら、効率的かつ安定的な農業経営を促進するとともに、担い手への支援を行ってまいります。さらに、市内農地の情報収集を継続して行い、引き続き担い手への農地の集積、また就農希望者の確保に取り組んでまいります。

 次に、行財政改革の推進について申し上げます。今後の自治体経営は、人口減少や少子高齢化の影響による経済の縮小により、税収が減少する一方、社会保障費の増加が見込まれ、非常に厳しい状況が予想されます。

 また、現在猛威を振るっています新型コロナウイルス感染症による社会経済活動の低迷により、大幅な税収の減少が見込まれることから、大型事業をはじめとする各種事業の実施にあたっては、スケジュールの見直しや既存事業の縮小・廃止などを検討し、柔軟に対応することも考えております。

 併せて、事務の効率化、職員の意識改革と資質向上に取り組み、健全で持続可能な行政運営を行っていくとともに、質の高い行政サービスを提供し最少の経費で最大の効果が得られるよう「選択と集中」による行財政改革に引き続き取り組んでまいります。

 以上、4期目の市政を担当させていただくにあたり、私の所信の一端を申し上げました。これまでの3期12年で取り組んできた政策に加え、これからの4年間で、これまでの取り組みを継続し、更に充実させることにより、那珂川市が更に大きく発展していく「進化する街づくり」に全力で取り組んでまいります。

 まちづくりは行政だけの力だけでなし得るものではありません。引き続き、市議会議員の皆さまや市民の皆さまをはじめ、市内各種団体や企業などの多くの皆さまとともに、「変革と発展そして進化する那珂川市」の実現という目標を共有して取り組んでまいりたいと考えております。

 今後とも皆さまのご理解とご協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明とさせていただきます。

那珂川市長 武末 茂喜